2013年8月17日

具体的な相続税対策とは(2)~遺言書の作成と執行~

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こんにちは。渋谷区恵比寿の税理士ライブラです。

今日は、具体的な相続税対策に関連して遺言書について書きます。

総論(遺言書の位置づけ)

円満な財産の分割を考えた場合、遺言書以上に確実な方法はありません。

もちろん、遺留分を侵害した場合、減殺請求という制度もあり、遺言は絶対的なものだとは言えませんが…

しかし、遺留分さえ侵害しなければ基本的には遺言者の意思が財産分割に反映され、相続人間の無駄な争いは避けられるはずです。

財産の多寡にかかわらず、争族問題を回避するため生前に進めておくべきことです。

ここで、一般的には遺言書の作成というと、税理士業務ではないと思われています。

将来を見据えた上で、相続税のみならず所得税や法人税をも考慮した遺言書を作成することは、税理士でなければできない業務です。

しかしながら、税理士は税法以外の法律の専門家ではありません。

民法に則った適法な遺言書を作成するためには、公証人の検証を受けた公正証書遺言が安全性の観点から最良でしょう。

公正証書遺言の性格を理解し、実務に役立て得る方策が必要となります。
相続の放棄という行為は、相続の開始以前に行うことはできません。

しかし、遺留分の放棄は被相続人の生前に行うことができます。

遺言書を作成するにあたり、場合によっては、遺留分の放棄と併せて行うことも視野に入れましょう。

遺言の執行も決して特別な資格やノウ八ウが必要なことではありませんので、単なる事務手続であることを理解する必要があります。

遺言書が特に必要なケース

  1. 子供がなく、配偶者と親・兄弟姉妹が相続人となる場合
  2. 前妻の子と後妻の子がいる場合
  3. 子供のなかに特別に財産を多く与えたいものがいる場合
  4. 子供のなかに財産を与えたくないものがいる場合
  5. 相続権のない孫や兄弟姉妹に財産を与えたい場合
  6. 子供の嫁に財産の一部を与えたい場合
  7. 内縁の妻や認知した子供がいる場合
  8. 生前に世話になった人(親族以外)に財産の一部を与えたい場合
  9. 財産を公益のものに寄付したい場合

争族防止のための遺言書作成のポイント

  1. 特定遺贈により、全ての財産について遺言する。
  2. 分割困難な不動産・支配権に影響する自社株式は、相続後の利害対立を避けるような形で遺言する。
  3. 未登記の不動産等について記載漏れのないよう注意する。
  4. 書き換える場合は、既存のものの撤回を明示し、改めて全ての遺産について遺言する。
  5. 受遺者が遺贈前に死亡した時に備えておく。
  6. 遺言執行者を定めておく。
  7. 推定相続人に対しては、「相続させる」と記載する。
  8. 「財産」以外にも、お墓の管理・祖先の供養・父母の扶養介護についても遺言する。
  9. 公正証書による遺言にする。
  10. 遺留分に配慮して遺言する。

遺言書の種類と税理士の関与

  1. 自筆証書遺言
  2. 公正証書遺言
  3. 秘密証書遺言

税理士としては、法律の専門家ではありませんので、お客さんからの希望がなければ「2.公正証書遺言」をおすすめします。

以上 ライブラでした。

 

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