2014年4月17日

知っておかなければならない税理士損害賠償事故例(2)

キーワード

こんにちは。渋谷区渋谷・恵比寿の税理士ライブラです。

先日と同様に、以下の本を読みました。

税理士の専門家責任とトラブル未然防止策―法的責任から賠償訴訟の対応まで

自分への自戒を込めて、事例をあげてみました。

【申告時に注意したいトラブル】

■法人税

  1. 税理士が雇用している職員が行った誤計算によって過小申告が発生し、税務調査の結果、本税の処分と共に附帯税が賦課された事例
  2. 法人の確定申告に際し、通達と異なる処理であるものの、処理が認められる旨を説明し、当該処理が否認された事例
  3. 税理士事務所の担当職員の不適切な処理により、税務調査で架空経費との指摘受け、修正申告による追徴税額につき損害賠償請求を受けた事例
  4. 再生計画の認可の決定により、預託金の一部が切捨てられていたゴルフ会員権を代表者に時価で売却し、簿価と時価の差額を売却損として計上した事例
  5. 前期損益修正損として繰越欠損金を多額に計上するよりも、更生の請求と繰戻還付を組み合わせた方が有利であるとして損害賠償請求を受けた事例
  6. 収用等に伴い代替資産を取得した場合の特別勘定による課税の特例につき、不正確な説明を行ったため、指定期間内に代替資産の取得ができなくなった事例
  7. 特定資産の買替えの圧縮記帳に当たり、買換資産の取得原価に算入すべき金額を経費処理したため圧縮記帳損計上額が過小となり、損害賠償請求を受けた事例
  8. 「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」の提出を失念したため、圧縮記帳の適用が受けられなくなった事例
  9. 親会社の減資により特定中小企業者に該当することとなり、「中小企業等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」の適用が出来たはずとして損害賠償請求を受けた事例

■消費税

  1. 合併事業年度の簡易課税制度の判定を被合併法人の基準期間の課税売上高でおこなった事例
  2. 「消費税課税事業者選択届出書」の提出について助言等をする義務を怠り、期末棚卸資産に係る仕入税額控除が受けられなくなった事例

■所得税

  1. 不適法な確定申告につき重加算税等を課された依頼者より、税理士が行った確定申告業務が委任の趣旨に反した違法なものであったことを原因として損害賠償請求を受けた事例
  2. 依頼者から提出された資料の内容を精査、確認しないまま確定申告書を作成、提出したため、重加算税等を賦課された事例
  3. 居住用財産の特別控除の規定が、同族会社に対する譲渡では不適用であることを知らなかった税理士が、特例適用が可能との助言を行ったために損害が発生した事例
  4. 「代替資産の取得期限延長承認申請書」の提出を失念したため、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用が受けられなくなった事例
  5. 既に買換特例の対象として扱われていたことに気付かず、建物の取得費を違算した事例
  6. 特殊関係者への譲渡であったため、居住用財産の譲渡損失の繰越控除の特例が適用できなくなった事例
  7. 譲渡資産に対して「居住用財産の譲渡所得の特別控除」を適用したため、取得財産に対し、「住宅借入金等の特別控除」の適用が受けられなくなった事例
  8. 準確定申告において、純損失の繰戻しによる還付請求を行わなかったとして、還付不能額につき損害賠償請求を受けた事例

■相続税

  1. 依頼者から被相続人の死亡による相続に係る税務処理を委任された税理士が、相続税の取得費加算制度についての説明を怠り、同制度の適用を受けられなかった事例
  2. 相続税申告の際、税理士が相続財産の範囲の確定のための助言・指導を十分に行わなかったため、申告漏れが生じ、重加算税の納付等を発生させた事例
  3. 特定市民農園の用地として貸し付けられている土地について、個別通達を看過して相続財産を過大に評価した事例
  4. 市街地にある宅地の評価を、評価額の低くなる鑑定士評価を用いて申告を行うべきであったのに、路線価による評価を用いて申告を行った事例
  5. 農地等の相続税の納税猶予特例の適用のためには、相続税の申告期限までに全部分割が必要と思わせてしまったため特例適用ができなくなった事例
  6. 相続税申告に当たり、代償金の圧縮制度の指導・助言を怠ったために、納付すべき相続税額が過大となった事例
  7. 「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」の提出を失念したため、「配偶者の税額軽減」及び「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用が受けられなくなった事例
  8. 相続税の修正申告の手続をした税理士が延納許可申請すべき義務を怠った事例
  9. 「相続時精算課税選択届出書」の提出を失念したため、暦年での贈与となり、贈与税を発生させた事例
  10. 相続時精算課税を選択していれば贈与税がかからなかったところ、暦年課税を選択したため、贈与税の支払いが発生し、支払った贈与税について損害賠償請求を受けた事例
  11. 住宅取得資金の贈与に係る相続時精算課税の特例を適用して申告したが、申告期限までに住宅用家屋の新築工事が完了していなかったことから、特例が受けれらなくなった事例

■その他

  1. 事業所税の対象とならない月極駐車場の床面積を課税対象に含めて計算してため過大納付となった事例

 

以上 ライブラでした。

 

« »

メルマガにご登録ください

メルマガでは、税に関する豆知識や最新情報をいち早くお届けしています。

メルマガ登録
facebookページにもご参加ください

ライブラ税理士ブログのFACEBOOKページでは、税に関する豆知識や最新情報をお伝えしています。