支払元が源泉所得税を未納付の場合の確定申告の取扱い
こんにちは。渋谷区恵比寿の税理士ライブラです。
以前同じ恵比寿の税理士の仲間の直樹氏(仮名)がこんなことを話していました。
直樹:「俺、すっごいビジネスの芽見つけたと思ったんだけどさぁ」
ら :「なになに?」
直樹:「最近さ、よくお客さんとキャバクラにいくんだけどね。」
ら :「うんうん」
直樹:「実はキャバ嬢の娘たちって殆ど、確定申告していないんだよ」
ら :「ふーん」
直樹:「でさ、彼女たち営業する上でさ、衣装やらヘアーやらプレゼントなんかでかなりお金つかってるんだと思うのよ。」
ら :「うん」
直樹:「だからさ、結構経費となる分あるはずだから、確定申告すれば確実に『還付』だから、彼女達の確定申告をやってあげれば、こりゃいい飯のタネになるぜ!…と思ったんだけど。」
ら :「だけど?」
直樹:「お店側がさ、ちゃんと源泉した分を納めてない可能性超高いでしょ?」
ら :「そうなの?」
直樹:「だから、そもそも納めていないのを還付なんてのもどうかと思って諦めたよ。この話」
…とまあ、その場はそれで終わりました。
これに似た話でたまに以下のような相談を受けます。
サラリーマンの確定申告で還付を受けたいのだけれど、会社が資金繰りとの兼ね合いで源泉税を滞納している場合どうすればいいですか?
同じ話ですね。
結論から申しますと、大丈夫です!
源泉所得税が未納の場合であっても、確定申告により所得税の還付を受けることができます!
所得税法には以下のような規定があります。
(源泉徴収に係る所得税について納付があつたものとみなす場合)
第223条 第1章から第5章まで(源泉徴収)の規定により所得税の徴収がされたときは、これらの規定による徴収をされるべき者に対する所得税の還付又は充当については、これらの規定により所得税を徴収して納付すべき者がその所得税を国に納付すべき日(徴収の日がその納付すべき日後である場合には、その徴収の日)においてその納付があつたものとみなす。
つまり、実際に納付したか、はたまた未納であるかという事実とは関係なく、あくまで法律上はその源泉所得税の納付があったものとして取り扱われるのです。
ただし、注意が必要なのは、この規定は未払いのものには実際の支払いが行われるまでは適用されません。
ですので、直樹氏の懸念事項は杞憂にすぎないのですね…
諦めるのは時期尚早です。
うちでやってしまおうかしら…とよからぬことを考えてしまいました。
以上 ライブラでした。
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